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会長×社外取締役対談
前中期経営計画の成果を基盤に、
強靭化フェーズを推進
「中期経営計画2030」の公表から1年が経過し、さらに社長交代を経た節目の今、さらなる企業価値向上に向けた取り組みと
ガバナンスの実効性を中心に中長期的な未来への期待と課題について自由闊達な意見交換を行いました。
意思決定を支えたガバナンスと取締役会の実効性
貝阿彌
西川さんは、社長として事業ポートフォリオ再構築を力強く推進され、東急ハンズや東急プラザ銀座、フィットネスの事業譲渡など、果敢に取り組まれました。その成果がROEや株価の上昇に表れていますし、我々社外取締役も、事業ポートフォリオマネジメントがいかに重要かを強く認識しました。努力しても成果に結びつかない場合、他社への譲渡はやむを得ない、むしろそうすべきだと。大事なのは譲渡先で、事業を発展させよう、従業員を引き継いで大切にしようという意志を持った相手を選ぶことです。
西川
ありがとうございます。寂しさはありますが、譲渡先で従業員が一生懸命働く姿を見聞きすると、やって良かったと思います。また、経営層に「ダメだったらやめる」という思考が根づいてきました。傷が浅いうちにやめて、その分の経営資源をほかの事業に投じれば、成長事業をより伸ばすことができる。それを社内が理解したことも、成果の一つだと思います。
事業ポートフォリオ再構築では、社内の調整を始めるのとほぼ同時に、社外取締役の皆さんにお話しする機会をいただいてきました。そこで皆さんにご賛同をいただけたのが大きかったです。再構築の過程では、色々なことが起きますし、社内でもさまざまな意見が出ます。そのときに、皆さんが一枚岩で背中を押してくださったことが、推進できた大きな要因の一つです。他の経営課題でも、皆さんからさまざまな視点でご意見をいただきますが、実行段階では後ろからアドバイスをくださり、場合によっては前に出る覚悟まで持ってともに歩んでいただけることがとても心強く、取締役会の実効性としても意味のあることだと思っています。
貝阿彌
特別に意識していたわけではないのですが、議論を重ねるなかで、自然と皆が共通の認識を持つようになっていきますね。当社は取締役会の前に、取締役会上程議題などに関する社外役員を集めた事前説明会もありますが、私はこの両者を一体として捉えています。事前説明会では、一般管理管掌取締役が議論に加わり、担当執行役員も出席して丁寧な説明があります。社外役員も多くの質問や意見を出して議論を重ねます。事前説明会の内容はだんだん充実して、今ではこれほど中身の濃い事前説明会をやる会社はあまりないと思うほどです。
西川
事前説明会を充実させ、その結果を踏まえ取締役会本番を迎える流れは意識してつくりましたし、前向きに機能している実感があります。密にコミュニケーションを取り、自然な形で意思決定に向かうようにしないと話は上手く進みません。例えばM&Aのような、特に大きな課題では、事前説明会の前にもご相談してきましたし、多くの場合、皆さんは後押しと併せて助言をくださいました。
貝阿彌
私が反対した案件はひとつだけですね、ずいぶん前の話ですが。これは当社グループが取り組むべき事業なのだろうか、と。何度も説明を受け、議論を重ねたことを覚えています。
西川
あの案件は、社内でも迷いがあった話でしたから、早めに社外取締役の皆さんにご相談をしました。貝阿彌取締役をはじめ反対意見の方が多く、やめることになりました。
貝阿彌
事前説明会だけでなく、毎年1回、2日間にわたって実施しているフリーディスカッションも、各事業会社のトップから現状と今後の課題について説明をいただけて有意義ですね。今後の当社グループを考えるうえで非常に重要な機会として我々も楽しみにしています。
西川
フリーディスカッションでは、最後に私も社長として、社外役員の皆さんとの振り返りの場を設けてきましたが、さまざまなご感想をいただけます。意義ある2日間になっていると思います。また、フリーディスカッションは、将来を担う若手の役員達を社外取締役に知っていただく機会の一つとして、サクセッションプランの観点でも意味があります。
貝阿彌
人となりを知る、大変良い機会です。指名・報酬委員の立場で、フリーディスカッションに限らず様々な場面で、次世代を担う皆さんの人物面を意識して見てきました。
成果を基盤に、次世代へつなぐ
貝阿彌
今回の社長交代は、事業ポートフォリオ再構築が一つの節目を迎え、第二段階として次の成長に向かう意味と捉えています。当社の社長には、グループ全体を見渡して何に注力し、場合によってはどこから撤退するか、冷静に判断し果敢に実行することが求められます。この点で、星野社長を選ぶことに誰も異論はなかったと思いますし、指名・報酬委員会でも自然な流れで決まった印象ですね。
星野さんは、一般管理管掌取締役だった頃から、事前説明会での議論を通じて、非常に視野が広く、冷静沈着に幅広い事柄を受け止める方と印象に残っていました。現長期ビジョンの策定から携わってきた方でもあり、非常に頼もしく感じています。
西川
私としても、再構築をほぼ終え、次の成長に向かう中期経営計画を2025年5月に発表し、初年度を終えたこのタイミングで交代する、さらなる成長を次の世代に期待するということで、自分でイメージしていたとおりに進みました。事業環境の大きな変化に合わせて成長の軸をどう見直し、変革していくかが重要ですが、私も貝阿彌取締役の仰るイメージそのままで、星野社長ならしっかりやってもらえるだろう、と信じています。
新体制の取締役会が担う、さらなる企業価値向上
西川
早い段階から経営のトップ層や社外取締役の皆さんと相談、共有しながら方向性を定めていくプロセスは、議長となった今後も、取締役会の運営において大切にしていきたいと思います。取締役会では、経営戦略や事業戦略はもちろん、組織風土まで含めて共有することを重視していく考えです。そうしたなかで、貝阿彌取締役に筆頭独立社外取締役として多様な意見を取りまとめていただく意義は非常に大きいと感じています。
貝阿彌
ありがとうございます。私は、本音で率直に意見を交わせる環境づくりを常に意識していますし、取締役会の決議事項以外でも、重要なテーマについては取締役会本番に限らず、必要に応じて議論の場を設けることも有効だと思います。方針について頭の整理をするための議論ですね。
西川
事業環境が変化するなか、テーマを絞り切らない大枠の議論をする機会も、あった方がよいかもしれませんね。事業ポートフォリオのあり方について率直な議論を重ねることは、これまで以上に重要になっています。中期経営計画で掲げる3つの重点テーマ(「広域渋谷圏戦略の推進」「GXビジネスモデルの確立」「グローカルビジネスの拡大」)も、環境の変化を踏まえたバランスのとり方に関して議論を深めていく必要はあると思っています。
貝阿彌
私は再生可能エネルギー事業に大きな可能性を感じています。当社の強みの一つですが、社会に優位性が十分認知されているとは言えません。より積極的な発信が求められますし、こういった強みを成長につなげる星野社長のリーダーシップに期待しています。ステークホルダーの視点をしっかり意識して進めてほしいですね。
西川
当社は、投資家・株主、お客さま、従業員、お取引先、地域社会、そして未来社会という6つのステークホルダーの満足度の総和が企業価値であると考えています。「WE ARE GREEN」というメッセージや環境先進企業のイメージは徐々に定着しつつありますが、やはり収益につながってこその環境経営ですから、環境価値と事業価値をどう両立させるかを、取締役会としてしっかり見ていきたいと考えています。
貝阿彌
環境価値と収益性の両立は、次のステージの重要な論点ですね。これまでの事業ポートフォリオ再構築で、当社が「実行できる会社」であることは十分示されたと思いますから、今後はその基盤のうえにどのような価値創造ストーリーを描いていくかが問われるでしょう。新体制のもとで、取締役会の議論をさらに進化させましょう。議長に期待しています。
西川
ありがとうございます。再構築を通じて得たステークホルダーからの一定の信頼を、これからの企業価値向上につなげるためにも、社内・社外の取締役が、引き続き情報や考え方をきちんと共有できるように、また率直で実効性のある議論を積み重ねていくよう、取り組んでいきます。これからもよろしくお願いいたします。