東急不動産ホールディングスが行う環境取り組みを詳しくご紹介
GREEN PIONEER NEWS

EV普及も後押し!
暮らしを豊かにする環境先進マンション「BRANZ(ブランズ)」

  • # 脱炭素社会
  • # EV充電設備設置マンション
BRANZ(ブランズ)

「BRANZ(ブランズ)」は、東急不動産が展開する分譲マンション。「環境先進を、住まいから。」をスローガンに、持続可能な心地よい暮らしと環境貢献実現のために新たな発想や仕組みを取り入れた「環境先進マンション」を提供している。東京都目黒区に完成した「ブランズ上目黒諏訪山」では、全戸分の自走式平置き駐車場すべてに、電気自動車(EV)用の充電設備を設置した。全戸分の駐車場にEV充電設備が設置されたマンションは、1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)では初めて(※)。日本でも温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラルへ向けてEVの普及が進んでいるが、集合住宅ではEV充電設備のある駐車場が少ないという問題点があった。全戸分のEV充電設備が用意されていることで、EV普及を少しでも後押しすることになりそうだ。ブランズでは今後も、さまざまな環境への取り組みを充実させた「環境先進マンション」を積極的に展開していく方針だ。

※対象期間:発売が2011年1月~2021年9月15日までのMRC調査・捕捉に基づく分譲マンションデータ範囲内。データ資料:MRC10月号 作成2021.10.29 MRC入力ベースで1期・新規発売が2011年1月以降の物件のみ

1都3県で初 駐車場全戸分にEV充電設備を設置

「諏訪山は、静かで見晴らしの良い、閑静な住宅地。住民以外の自動車はほとんど入ってきません。そうした格式ある土地にふさわしい住宅として計画されたのが、ブランズ上目黒諏訪山です」と東急不動産住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部の戸髙僚太さんは語る。1戸当たりの平均面積は約150㎡で、全戸に駐車場がついている。「ブランズでも一部で200㎡という広いお部屋はありますが、全戸平均で150㎡という物件はありません」と戸髙さん。現地を訪ねてみると、高さは3階建てと抑えられていて、最新のマンションにありがちな威圧感は全くない。正面左手にある大きなサクラの木は、風格を感じさせる存在感がある。もともとこの土地にあった寒緋桜の木を少しだけ移動したのだという。前面に緑が適度に配置され、閑静な住宅街にマッチした落ち着いたたたずまいとなっている。

ブランズ上目黒諏訪山

ブランズ上目黒諏訪山

EV充電設備について戸髙さんは、「環境対策を重視するのが東急不動産の会社としての大方針です。そこで、分譲マンションで何ができるか考えたとき、その一つにEV充電設備の設置がありました」と言う。「このマンションでは、計画段階から全戸分の平置き駐車場を用意することが決まっていましたので、充電設備の設置はスペース上可能でしたが、機器の選定には苦慮しました。当初予定していたものは、200㌾にしか対応していない充電ケーブル付の充電設備でした。ところが、100㌾の充電が必要なフェラーリのPHEV車をお持ちのお客さまがいて、その機器では対応できないことが分かりました。さらに、お乗りになっているメーカーが提供する純正のケーブルで充電しないと、万が一故障してしまった際に保証が下りないことが分かり、どんな車種にも対応できる汎用性が高い充電設備へ急遽変更しました」

ブランズ上目黒諏訪山を担当した東急不動産の戸髙さん

ブランズ上目黒諏訪山を担当した東急不動産の戸髙さん

導入されたのは、日東工業のEV充電設備。入居者が所有するケーブルをすっきりと収納できるコンパクトな製品だ。日東工業EVインフラ事業室の豊福拓馬さんは、「車載充電ケーブルのコネクターとコントロールボックスを、EVコンセントと共にスマートに収納できますから、使うたびに充電ケーブルを車から出し入れする手間がかかりません。施錠して盗電やいたずらを防止することもできます」と話す。豊福さんによると、EV充電設備の需要は、店舗やホテルなどを中心として最近2年ほどで急速に増加しているという。「ただ、ガソリンスタンドと比べると充電設備の設置場所が限られているため、EVは不便だと考える人がまだ多いようです。充電環境がある程度整ってくれば、普及は一気に進むと思われます。普段、車を置いている自宅の駐車場に充電設備が増えると、EVの普及にもつながってくるのではないでしょうか」と豊福さんは話している。

東急不動産住宅事業ユニット事業戦略部の細谷優里さんも、「建物にEV充電設備を設置し、インフラを整えること自体が、EVの普及につながっていくと考えています。今後開発するブランズについては、平置き駐車場へのEV充電設備設置を標準化します。また、機械式の駐車場についても、対応車種の制限等の課題はありますが積極的に充電設備設置を図っていきたいです。」と話す。

ブランズ上目黒諏訪山に導入された日東工業のEV充電設備

ブランズ上目黒諏訪山に導入された日東工業のEV充電設備

全戸分のEV充電設備が駐車場に設置されている

全戸分のEV充電設備が駐車場に設置されている

環境配慮に徹底した「環境先進マンション」

EV充電設備設置だけが、「ブランズ」の環境への取り組みではない。「ブランズ」は、2021年12月にリブランディングを行い、「環境先進マンション」を全面的に押し出した。細谷さんによると、「DESIGN(グリーンを追求するデザイン)」「QUALITY(持続可能な未来品質)」「SUPPORT(人生のパートナーとなるサポート)」という三つの提供価値を備えた環境先進マンションを提供することによって、「お客様の『GREEN LIFE STYLE』を実現します」という。

東急不動産で住宅事業の環境対応を担当する細谷さん

東急不動産で住宅事業の環境対応を担当する細谷さん

東急不動産がかかげる「GREEN LIFE STYLE」とは、「ずっと先の未来まで続く、環境にも人にもやさしいウェルビーイングな暮らしです」と細谷さん。具体的には「緑化やZEH標準化、太陽光パネルの搭載をはじめとした再生可能エネルギーの活用、EV充電設備の設置などに取り組んでいます」という。このうち「ZEH」とは、住宅で使用する年間のエネルギー収支を正味でゼロとすることを目指す住宅のこと。省エネルギー性能や断熱性能の強化で、使用するエネルギーを削減できる。太陽光発電設備や蓄電池が導入されている場合は、さらに光熱費が削減できるほか、災害などの非常時に停電しても、自家発電した電力を使用することができる、といったメリットがある。

たとえば、2024年12月竣工予定の「ブランズ千代田富士見」では、千代田区の中高層分譲マンションで初めての「ZEH-M Oriented」の認証を取得した(※)。このほかこのマンションでは、低炭素建築物の認証も取得。屋上には太陽光パネルを設置する計画だ。また、全駐車場のうち38%の区画にEV充電設備を設置。さらにコンクリート型枠用合板に持続可能性に配慮した木材を使用するなど、建築段階から環境配慮を徹底している。

※着工(2022年4月)時点、発売が2013年1月~2022年10月15日までのMRC調査・捕捉に基づく

ブランズ千代田富士見

ブランズ千代田富士見

モデルルームの環境負荷も削減

マンションを販売する場合、入居希望者に完成イメージを分かりやすく感じてもらうため、住居の見本としてモデルルームであるマンションギャラリーを作るのが一般的だ。東急不動産は、こうしたマンションギャラリーでの電力使用に伴うCO2排出量を、東急不動産ホールディングスが取り組んでいる森林保全活動「緑をつなぐプロジェクト」で取得した「Jクレジット(CO2などの温室効果ガスの排出削減量や、吸収量を国が認証する制度)」でオフセット(相殺)し、CO2の排出量を実質ゼロとしている。

「緑をつなぐプロジェクト」の循環型サイクル

「緑をつなぐプロジェクト」の循環型サイクル

マンションギャラリーによって生まれる環境負荷は、その運営に使われる電力だけではない。ギャラリーはマンションとは別に作られることが多く、役割を終えたら撤去しなくてはならない。設置し、撤去するだけでも大量のCO2を排出することになるほか、撤去した建材は廃材となり、大きな環境負荷をかけることになる。これを解消するため東急不動産は、世界最高峰のCGI技術を持つアクセンチュアと共同で、仮想空間に現実世界を反映した「デジタルツイン」を活用したデジタル上のモデルルームを作り出す方針を打ち出した。最新の技術で住居内の様子だけでなく、素材の質感なども再現。精緻なシミュレーションによって、時間経過による日照の変化など、モデルルームでは分かりにくいことも体感できる。リアル以上の体験ができる世界で、そのマンションの暮らし方を実感できる仕組みだ。こうしたデジタルコンテンツを販売現場で活用していくことで、モデルルームを作っては壊すことによる環境負荷を大幅に低減することができる。

デジタルツインで制作したモデルルーム

デジタルツインで制作したモデルルーム

このほか、「BRANZ『緑をつなぐ』プロジェクト」も展開している。具体的には、森林伐採後の再植林の放棄や自然災害などによる荒廃した森の再生を目的として、奈良県吉野町の津風呂湖で、総延長約38㌔の湖畔に、8000本の山桜を植えて桜の回廊を目指す地域の活動に賛同し、2010年から毎年桜の植樹活動を行っている。2022年時点で、8000本のうち、5079本まで植樹しているという。

細谷さんは、「私たちは、今後も細かなこと一つひとつまで環境に配慮したマンションを開発し、環境のために住まいの中で何ができるかを提案していきます。ただ環境に配慮しているだけではなく、断熱効果による快適性や、省エネ効果、太陽光発電などで光熱費が安くなるといった経済性などのお客さま目線でのメリットも含め、環境先進であることが、お客さまの豊かな暮らしにつながっていくことを伝えていきたいと考えています」と話している。

奈良県吉野町の津風呂湖で植樹した桜

奈良県吉野町の津風呂湖で植樹した桜

取材にご協力いただいた皆様

  • 豊福 拓馬
    日東工業株式会社
    EVインフラ事業室
    豊福 拓馬
  • 戸髙 僚太
    東急不動産株式会社
    住宅事業ユニット
    首都圏住宅事業本部
    戸髙 僚太
  • 細谷 優里
    東急不動産株式会社
    住宅事業ユニット
    事業戦略部
    細谷 優里
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