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TFHD GROUP MAGAZINE

グループの仕事と人

2019.6.25

コンプレックスがパラリンピック挑戦の"チケット"へ。スポーツが自分を変えてくれた。

三足のわらじをはいて

東急イーライフデザインの理学療法士として勤務する有安諒平。介護付有料老人ホームで、ご入居者の運動機能の維持・改善にむけた治療を担当しながら、杏林大学大学院に通い、神経生理学の研究にも取り組んでいます。

視覚障がいのある自分と同じく障がいをもった人や医療が必要な人に貢献したいと、介護住宅での治療と大学院での研究、双方の現場で奮闘する有安は、実はパラアスリートの顔も持っています。三足のわらじをはきながら、ボート競技で2020年の東京パラリンピック出場をめざして、厳しいトレーニングに励む日々。「スポーツを通じて伝えたいことがある」。そう語る有安に、人生を変えたスポーツとの出会いやボート競技の魅力について聞きました。

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インタビュー
有安 諒平:株式会社東急イーライフデザイン

高校時代はスポーツを敬遠していた

私が視覚障がいの診断を受けたのは、高校生だった15歳の時です。思春期だったこともあり、障がいがコンプレックスに感じられ、興味のあったスポーツにも二の足を踏んでいました。でも、理学療法士をめざして入学した筑波技術大学でパラスポーツと出会い、世界が変わりました。自分と同じ視覚障がい者が当たり前のようにスポーツに取り組んでいる姿に衝撃を受け、自分も柔道を始めることにしたのです。競技をはじめたばかりの頃は、こてんぱんにやられてばかりでしたが、相手に対し素直に「すごい!」と思えて。それが「障がいがあることとスポーツができることは関係ない」という実感につながりました。

大学院への進学でボート競技へ転向

柔道には8年間取り組み、視覚障害者柔道連盟の強化選手にも選ばれるなど、充実した競技生活をおくっていました。でも、研究のため大学院に進んだことで、壁にぶつかってしまいました。研究室での作業を終える頃には道場が閉館するため、稽古に通えなくなってしまったのです。そんな時に出会ったのが、ボート競技でした。柔道だと練習をするのに相手が必要ですが、ボートならメンバーで集まらない日は、個人トレーニングに取り組むなど融通が効きます。日中は研究に取り組みつつ、夜、自宅に帰ってからトレーニングに励むといった具合に研究活動との両立が可能なこと、さらには、柔道できたえた腕と背中の筋肉がボート競技に有利なこと。それらが決め手となり、柔道からボート競技に転向し、一気にのめりこみました。

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多様なメンバーの一体感が醍醐味

ボート競技は、漕ぎ手の動きを合わせるシンクロ率がポイントとなります。ただ、私が取り組むパラローイング・PR3は、メンバー4人が肢体不自由者と視覚障がい者で構成され、かつ男女ミックスという、珍しい種目です。身体的な特徴にかなりばらつきがあるなかでシンクロ率を高められるよう、メンバーそれぞれの得意・不得意を理解しつつ、コミュニケーションを密にしながらトレーニングに励んでいます。オールを漕いだ時に最大のパフォーマンスを発揮するため、全員がいかに一体となれるか。それがこの競技の肝であり、一番の見どころだと思います。

自分が発想転換のきっかけに

以前、障がいはハンディキャップだと思っていました。でも今では、障がいをパラリンピック挑戦の"チケット"だと受け止めています。こうした発想の転換がいまの自分をかたちづくっていると感じます。私がパラスポーツで活躍することで、障がいをもつ人が同じように発想を転換してくれたら、とてもうれしいですね。2020年の東京パラリンピックは、より多くの方に自分の姿を見てもらえる絶好のチャンス。今年の夏にオーストリアで開催されるボート競技の世界選手権で上位8カ国以内に入れることができれば、東京パラリンピックへ日本としての出場が確定します。ぜひ注目してください。

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有安諒平@パラアスリートのブログ
https://ameblo.jp/ariyasu-pararowing/