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「海外展開への挑戦〜インドネシア事業」篇 Part 1

インドネシア共和国バンテン州/2018年10月竣工

プロジェクト・ノート

日本とインドネシアの文化を融合して、新たな住まい方を提案する

「BRANZ BSD 藍」プロジェクトチーム

本記事は2019年3月の取材を基に執筆されたものです。

世界第4位の人口を有し、急速に経済成長を遂げるインドネシア。2018年10月、その首都ジャカルタの郊外で開発が進むBSDシティに、日本のマンションブランド「BRANZ」の海外第1号物件が誕生しました。現地に赴任し、文化もビジネス慣習も異なる環境で挑戦を続けるプロジェクトメンバーに話を聞きました。

インタビュー
福井 賛:PT. TOKYU LAND INDONESIA 開発担当
南波 隆哲:PT. TOKYU PROPERTY MANAGEMENT INDONESIA 建物管理担当

住環境が良好なBSDシティの中心に位置するコンドミニアム

福井:ジャカルタ中心部から約25kmの距離に位置するBSDシティは、約6千ヘクタールにもおよぶ広大な街です。シナルマスグループという財閥によって1980年代後半より開発が進められ、非常に緑が多いうえに渋滞も少なく、良好な住環境が広がっています。「BRANZ BSD藍」は、そのBSDシティの中心部に位置し、全4期にわたって総戸数約3,000戸を開発する「BRANZ BSD」事業の第1期プロジェクトです。2013年に土地取得後、2015年から販売と工事を開始し、2018年10月に竣工を迎えました。

南波:インドネシアのコンドミニアムは、共用施設が充実した物件が非常に多いのが特徴です。この物件においても、屋外と屋内の2つのプールやカラオケルーム、ビリヤード台のあるゲームルーム、キッズルームなど、子どもから大人まで利用できる多彩な共用施設を取り揃えています。

福井:インドネシアはインフラ自体がまだまだ整っていないのですが、スマートフォン所有者は非常に多いので、日本でいう「スマートシティ」や「スマートレジデンス」は多くあります。「BRANZ BSD藍」でも、HEMSといった機器を利用した電気や水道の見える化や、暑い国ゆえの熱を通しにくいガラスの採用など、環境に配慮したコンドミニアムをつくることをめざしました。

「BRANZ BSD 藍」開発担当の福井

インドネシア人の仕事の進め方を理解しながら課題を解決する

福井:自動車やバイク、家電など、先陣を切ってインドネシアで市場開拓してきた日系企業の皆さんのおかげで、インドネシア人の日本製品の品質に対する期待値は、とても高いです。私たちもその期待に応えられるように、良い品質のものをお渡しできるように取り組んできました。

南波:日本にいた時には感じなかったのですが、インドネシアに来て日本人の仕事に対する責任感の強さを感じました。インドネシアの方には、「自分はちゃんとやっているけど、自分が指示した協力会社や現地スタッフがやっていないなら、それはその人たちのせいで僕は関係ない」という人もいるので、そこは赴任当初驚きましたね。

福井:工事中に何度かスケジュールが遅れそうになったことがあるのですが、建設会社の方に直接、「とにかくここまでに仕上げないといけないんだ」という話をすると、生産人口が多いこともあるのか、急に多くの人が現場に来て作業を始めるんです。そのおかげもあり、スケジュールどおりにお客さまにお引き渡しすることができたのですが、そこは非常に驚きました。施工精度という点でも苦労しましたね。職人の方の経験値もありますが、日本で長く建設業に携わっている私たちのスタッフが技術的指導もしながら進めることで、課題をクリアできました。

南波:建物管理はまだ始まったばかりで、今は私たち日本人が関与して何とかできているという状態です。細かいテクニックではなく、「自ら見て気づく」「指示したスタッフが動かなかったとしても、その責任は自分にあるんだと思って接客する」といった日本では当たり前の考え方や思いを伝えることで、お客さまに日本品質の建物管理を提供したいです。私たちが関与せず、現場の方だけでそこまでできて初めて日本品質といえると思っています。

「BRANZ BSD 藍」建物管理担当の南波

めざしたのは「ジャパン・クオリティ」の新しい住まい方

福井:インドネシアには、メンテナンスが行き届いてない建物が多くあります。住居なので安全であることは当然ですが、この物件は私たちで初めて計画から建物管理までの全業務を行っていますので、安全だけでなく快適であることも感じて欲しいと考え、メンテナンスのしやすさを重視してきました。丁寧で行き届いた管理を提供することで、長く快適にお使いいただくことが私たちの想いです。

南波:建物管理は、あまり派手な業務ではありません。普段お客さまがストレスに感じていることを感じさせないという状態が、管理面での日本品質だと思っています。現地のスタッフは、「ここが直っていない」「汚いからきれいにして欲しい」と指摘すると、すぐにやってくれるので、その対応力はすごいです。そういった事後処理のスピードは日本より早い部分もありますが、気づきの面と予防・予知の面では、まだまだ差があります。すでに持っているスピード感に、日本の計画的なところを取り入れれば、インドネシアの他の管理サービスと差別化できるのではないかと思います。

福井:私はこれまで6年間にわたり、この事業に携わってきたのですが、言い表せないさまざまな苦労をしてきました。お客さまに住居をお引き渡ししている姿を見たときには、感慨深いものがあり、非常に感動しました。インドネシアでは投資家層がコンドミニアムを購入する割合が多いのですが、この物件では自ら住まわれる実需のお客さまに多くご購入いただいています。日本品質のすごくよい建物ですし、今後、建物管理も日本品質で業務を行っていきます。ここでインドネシアの方に実際に住んでもらい、「BRANZ」ブランドのよさを感じてもらうことで、インドネシアの生活の質の向上に少しでも貢献していけたら嬉しいです。

スペシャルムービー

Project Information

名称

BRANZ BSD 藍

事業主体

PT. TOKYU LAND INDONESIA、PT. Diamond Realty
Investment Indonesia※
※PT. Diamond Realty Investment Indonesiaは、三菱商事株 式会社の関連会社です。

敷地面積

約16,000㎡

総戸数

1,256戸

共用施設

ライブラリー&ラウンジ、スイミングプール、キッズプール、スパ&マッサージ、カラオケルーム、ビジネスセンター、ジム等

着工

2015年9月

竣工

2018年10月

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