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Letter to our stakeholders

誰もが自分らしく
輝ける未来に向けて、
グループ変革を次のステージへ

東急不動産ホールディングス株式会社
代表取締役社長

西川弘典

2022年度の業績と今後の展望

2022年度の業績と今後の展望

中期経営計画の初年度となる2022年度は、初めてグループで売上高1兆円、営業利益1,000億円超えを達成し、過去最高益となりました。当社設立10周年を迎える節目の年に嬉しい成果となりましたが、この3年間は、コロナ禍で落ち込んだ業績を回復させるのに必死だったというのが正直な思いです。また、昨年度は同業他社も軒並み好業績を上げており、事業環境に追い風が吹いていたのも事実です。社内の比較でしかない「過去最高」という言葉に甘んじることなく、さらなる飛躍に向けて決意を新たにしています。

2020年の社長就任以来、グループ一丸となって変革を推し進めてきました。経営においては「大局観と胆力」が大切だと考えており、コロナ危機についてもグループが結束する契機と捉え、一気呵成に変革を進めました。その結果、強固で独自性のある事業ポートフォリオを構築するための構造改革は、当初の想定より1年前倒しで目処がつきました。

こうした変革を推進する目的は「グループ総合力の最大化」であり、今年度からは本丸といえるバリューチェーン改革に着手しています。

私たちがめざすのは、「魅力あふれる多彩なライフスタイルの創造を通じて、誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」です。グループスローガン「WE ARE GREEN」のもと、掲げた理想を現実のものとするために、私たちは価値を創造し続ける企業グループである必要があります。では、どうやってサステナブルな社会とグループの成長を実現していくのか。長期ビジョンで描いた「ありたい姿」を形にするための成長シナリオを具体的にお伝えします。

遠心力経営から「緩やかな求心力経営」に転換

当社は、グループ総合力を最大化し、各事業会社のさらなる成長を促すため、2013年に純粋持株会社として設立されました。当時の経営判断には、次のような目的がありました。

当社設立の目的

  • グループ経営基盤の革新による経営の機動性・効率性向上
  • グループ連携による事業間シナジーの拡大
  • 財務基盤強化による各事業の成長加速

グループの中核企業である東急不動産は70年前、東京急行電鉄株式会社(現:東急株式会社)から不動産部門が分離独立する形で誕生しました。その後、社会ニーズに対応するなかで、管理業を行う東急コミュニティー、仲介業を行う東急リバブル、さらには小売業を行う東急ハンズを生み出してきました。

東急コミュニティーと東急リバブルは、グループ外からの受注を増やすことで業界トップクラスの規模を誇るまでとなり、DIY産業の先駆けとして一時代を築いた東急ハンズは、グループ外に譲渡した現在もなお、圧倒的なブランド力を維持しています。こうした東急不動産を母体とする企業群は、各社の自立性を重視した「遠心力経営」によって発展を重ね、事業ウイングの広さという特色を獲得してきました。

しかし、遠心力経営は、部分最適の意識によって企業集団としての一体感を低下させる副作用があり、グループならではの提供価値が創出しづらくなりました。一方で、親会社の求心力を高めすぎると、各社が積極的に外へ向かうことで培ってきた競争力を削ぐことにつながりかねません。

そこで当社グループが選んだのが、「緩やかな求心力経営」という方針です。純粋持株会社である当社が中長期的な視点からグループの全体最適を図り、集中と分散のバランスを取ることで、各事業会社の高い競争力を活かしたシナジー創出を促し、グループ総合力の最大化を図ることとしました。

社長就任後の3年で実行したこと

ホールディングス体制への移行後、東急住宅リース設立(賃貸住宅事業の統合)、学生情報センター買収(新たな顧客層獲得)、東急Re・デザイン設立(リフォーム事業の統合)、東急リゾーツ&ステイ設立(ホテル・リゾート運営事業の統合)など、事業機会の拡大や重複事業の統廃合を推進し、当社グループは市況の波はありつつも順調に成長を続けてきました。

それでも、私が社長に就任した2020年時点で、目標とするグループ総合力の最大化は道半ばという状況でした。さらにコロナ禍によって、社会全体の先行きに不透明感が高まり、グループ全体でひとつの羅針盤を共有する必要性を一層強く感じたことから、長期ビジョンの策定に着手しました。

バックキャスト発想で将来のありたい姿を描いた「GROUP VISION 2030」では、2021年度からの前半5年間を再構築フェーズ、後半5年間を強靭化フェーズと位置づけ、株主価値・企業価値向上につなげる10か年計画の道筋を示しています。その際、それぞれの事業が持つ社会的役割と成長シナリオの違いから、事業セグメントを資産活用型と人財活用型に再編しました。

続けて策定した中期経営計画では、「アフターコロナの再成長に向けた稼ぐ力と効率性の向上」をめざす再構築フェーズの具体的な成長戦略を描き、ROEとEPSの向上を図るという明確な指針のもと、直近の2年間で抜本的な事業構造改革を進めてきました。

主な事業構造改革

  • 東急ハンズの譲渡
  • 商業施設アセットの資産入替(東急プラザ銀座の売却)
  • レジャー事業の一部資産譲渡(ゴルフ場4施設、スキー場1施設)
  • 東急スポーツオアシスの譲渡(フィットネス事業)

2022年度に(株)ルネサンスへ40%の株式譲渡。2024年3月末日、同社に残り60%の株式譲渡を予定

これらの聖域なき改革は、いわば“外科手術”であり、2022年度で一定の目途をつけることができました。それにより、ROEは2021年度の5.7%から、2023年度には8.8%へと改善する予定です。

再構築後のポートフォリオは、業界トップクラスの事業を中心に構成されており、それらが有する「豊富な顧客接点」の活用こそが、事業ウイングの広さを真の強みに変える鍵だと考えています。

Strategy1バリューチェーン改革で“体質改善”を図る

グループ総合力の最大化を実現するために欠かせない課題として次に取り組んでいるのが、グループのバリューチェーン改革です。“外科手術”と重ねてヒトの身体にたとえるならば、より筋肉質な身体づくりの基礎として、食事や運動などの生活習慣を整える“体質改善”といえます。

強みを活かした顧客起点での価値創造

当社グループが持つバリューチェーンの本質は、土地や建物という有形資産を活かしたビジネスの多角的な展開により、お客さまに体験価値を付加したサービスを提供し、蓄積したノウハウやデータから生まれる知的資産を活用して、さらに新しいビジネスを創造する、という循環にあります。持続的成長をもたらすこのような循環を形成できるのは、競争力の源泉となる当社グループならではの強みを有していているからだと認識しています。

当社グループの競争力の源泉

  • 広域渋谷圏を中心とした多様な優良アセット
  • 管理・運営や仲介事業が有する多彩なお客さま
  • 幅広い事業領域での専門性の高い人財とノウハウ
  • 社会ニーズを捉えてユニークな事業を生み出す企業風土

多くの業界において、「川上」といわれる供給者側から「川下」とされるお客さま側への一方通行的な商流が長きにわたり定着し、新しいビジネスを生み出すための情報もまた、同様に川上へと集中する構造でした。

しかし、デジタル化が進展し飛躍的に情報の活用が可能となった今、もっとも多くの情報を持ち、サービスの起点となっているのはお客さまです。不動産領域で幅広い事業を展開する当社グループにおいては、川上を起点にものを考えるのではなく、流通・仲介や管理・運営などの直接的なお客さま接点から顧客ニーズを仕入れ、ビジネスに活かすことが、BtoC事業、BtoB事業を問わず重要です。

内部創発と外部創発を促す「両軸経営」

バリューチェーンの循環は、従業員一人ひとりが価値の連鎖を意識した、顧客起点の全体最適によって機能していきます。そして、グループ内部の事業創発(内部創発)と外部との連携による事業創発(外部創発)を相互に誘引しながら、有機的にライフスタイル創造やビジネス創造を連続させる仕組みを、私たちは「両軸経営」と定義しています。

内部創発に関しては、潜在的な顧客ニーズを新しい商品・サービスの開発へとつなぎ、循環させるために、グループ内の連携を強化しています。

内部創発の事例

  • 分譲住宅における製販管連携
  • 再開発事業におけるグループ連携
  • グループ内富裕層顧客戦略

外部創発に関しては、地域や行政とのパートナーシップ、産学連携、ベンチャー共創などの取り組みをすでに進めていますが、長期ビジョンで掲げた「パートナー共創」という事業方針のもと、オープンイノベーションによる価値創造に向けて、より一層の力を注いでいきます。

外部創発の事例

  • JR東日本との包括的業務提携
  • NTTグループとの協業による広域渋谷圏へのIOWN先行導入
  • マサチューセッツ工科大学の産学連携プログラム参画
  • 地方自治体との連携協定:北海道松前町、長野県富士見町、埼玉県川島町

バリューチェーン改革では、部分最適から全体最適への意識改革を強化し、顧客提供価値の最大化をめざします。内部と外部の力を両立させ、川下の「豊富な顧客接点」を活かしながら、バリューチェーン全体で「顧客起点での価値創造」ができる体制と組織風土をつくりあげていきます。BtoC事業においては「個客対応のライフスタイル創造」を、BtoB事業においては「運営ノウハウを活用したビジネス創造」を推進していきます。

両軸経営を実現するために重要となるのが、もうひとつの事業方針である「知的資産活用」です。ノウハウ・データを活用したDX推進と人財戦略によって無形資産の価値を最大化し、収益へと結びつけていきます。無形資産を知的資産に変えていくために、従来の非財務資本を「未財務」と捉え直し、将来の財務資本へと変えていく意識をグループ内に浸透させていきます。

内部創発と外部創発に共通するのは、「お客さまから選ばれるために何をすべきか」という視点です。こうした顧客ニーズに対する意識を従業員に根づかせるため、私が繰り返し社内に呼びかけているのが、「自らの前後の仕事を見る」「外に目を向ける」「視座を一段上げる」ということです。徹底したお客さま目線で業務に取り組む人財が育つよう、グループ価値の最大化に資する人財戦略を、経営戦略と連動させながら推進していきます。

Strategy2まちづくりの知見で都市間競争力を高める

強化されたバリューチェーンは、まちづくりや再開発で得た私たちの実績と知見を活かして、さまざまな社会課題を解決していくという中長期的な成長シナリオにつながります。

近年、不動産業界が取り組む社会課題は、住みやすいまちづくりやウェルビーイングの向上という観点が主流でしたが、それらは今や当たり前に実行すべきテーマとなっており、これからはいかに都市間競争力を強化していくかが問われています。特に東京の国際競争力向上は、日本経済を活性化させるための重点課題だと認識しています。

この課題に対し、東急グループは渋谷のまちづくり戦略に注力しています。渋谷駅から半径2.5キロメートルのエリアを「広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)」と定め、ソフトとハードの両面を活かして、「働く」「遊ぶ」「暮らす」が融合した、持続的に成長する都市をめざしていきます。当社グループでは、2024年度までに4つの新規プロジェクトの竣工・開業を控えており、活動拠点が面的に広がることで、広域渋谷圏のまちづくりは新たなステージに移行します。

広域渋谷圏の新規開業プロジェクト

  • 「Forestgate Daikanyama」(2023年10月開業予定)
  • 「Shibuya Sakura Stage」(2023年11月竣工予定)
  • 東急プラザ原宿「ハラカド」(2024年春開業予定)
  • 代々木公園Park-PFI計画(2025年2月供用開始予定)

新しいステージで私たちがキーワードとするのが、「面的連携」と「人」であり、多様な人や企業との共創、交流を促す仕掛けを設けていきます。それによって、創造・発信・集積のサイクルを回すまちづくりを展開し、渋谷の魅力の源である多彩な人々と、共感にもとづくパートナーシップやアライアンスを構築していきます。

渋谷は観光と産業育成力という異なる特色を備えた街であり、世界中のいかなる都市とも類似することのない個性を放っていると考えています。24時間動き続け、世界中から観光客が訪れるエンタテイメントシティ渋谷の魅力にまちづくりで貢献し、また、起業支援策の提案などを通じて、渋谷ならではの産業育成力を磨き、日本のみならず世界から優秀なスタートアップが集まる街をつくっていきます。

さらに、このまちづくりをビジネスの力へと変える成長シナリオを、各事業会社の具体的な施策へと落とし込むことで、広域渋谷圏から事業機会を拡大していきます。

まちづくりによる成長シナリオ

まちづくりによる成長シナリオ

Shibuya Sakura Stage

Shibuya Sakura Stage
(完成予想図)

Strategy3地域課題の解決を通じて地方創生に取り組む

都市間競争力の強化と並んで、日本が取り組むべき重要な社会課題が地方創生です。それぞれの地域が抱える課題に向き合ううえで、私たちは観光とGX(グリーントランスフォーメーション)を重視しています。

人口減少下の日本で観光立国を実現するには、海外から人を呼び込むことが不可欠であり、年間を通して集客力のあるリゾート地を全国各地につくることが、ひとつの対応策になると考えます。人の動きが継続して生まれれば、経済も持続的に成長することは、京都などの観光都市を見れば明らかですが、国内リゾート地の集客は、シーズンによって大きな起伏があるのが現状です。当社グループは、アジアNo.1の国際的リゾートづくりに官民連携で取り組む北海道・ニセコにおいて、通年型リゾートによる観光立国という、地方創生の新たなモデルを生み出していきます。

GXが地方創生にもたらす効果については、当社グループが再生可能エネルギー事業を展開する北海道・松前町町長の「当町の特産品は松前漬けと電気だ」という言葉が象徴しています。再エネ事業は、事業・雇用機会や税収の増加などを地域にもたらす力があり、地方創生と環境活動を両立する事例が全国各地で生まれています。

そうしたなか、今年5月には再エネの主力電源化などを盛り込んだ「GX推進法」が国会で成立し、今後の国内エネルギー政策が脱炭素化へと向かっていく流れが加速しています。再エネ事業を業界に先駆けて手がけてきた当社グループは、脱炭素分野で一日の長があり、自然環境に配慮しながら日本のエネルギー政策に貢献していきます。

地域課題の解決に向けた取り組みを進めるにあたっては、事業ウイングの広さとともに、事業拠点を多く有する当社グループの特徴を活かすことができます。また、住民や行政、ビジネスパートナーなど、さまざまなステークホルダーとの協業が不可欠である地方のまちづくりにおいても、地権者の協力を仰ぎながら長い時間をかけて取り組む開発ノウハウが求められます。経済が活性化した場に必ず生じるのが、新たなビジネス機会です。当社グループは全国の事業拠点に根を張り広げながら、地域に求められるまちづくりを行うなかで、利益創出の芽を開かせていきます。

環境経営とDXの両輪で“稼ぐ力”を高める

重点課題に取り組む際に、グループの横串を通す形で全社方針として掲げているのが「環境経営」と「DX」です。これらは当社グループの競争力を底上げする必須要素であると同時に、いずれも“稼ぐ力”に変えてこそ意味を持つものだと捉えています。

このうち環境経営は、早期から環境に配慮した事業を展開してきたグループとして、取り組みが先行してきました。特に2014年に参入した再エネ事業は、国内でトップクラスの実績を上げており、2022年12月には東急不動産が日本の事業会社で初めて自社事業所および保有施設で使用する電力を100%再エネ切替完了し、RE100達成の要件を満たしました。このほかにも、オフィス、マンション、ホテルなどの脱炭素化などを通じて、環境先進企業としてのブランディングをグループ一丸で推進しています。

そのブランド力をもとに、「独自性を訴求する」「事業機会を拡げる」「収益につなげる」の3つのフェーズを踏んで成長をめざします。中期経営計画で掲げた「環境を起点とした事業機会の拡大」については、例えば、外部創発の事例として挙げたJR東日本との包括業務提携は、環境先進企業としての取り組みが評価されてのことと認識しており、着実に実を結びはじめていることを示しています。

環境経営による成長シナリオ

環境経営による成長シナリオ

DX推進については、当社が「DX銘柄2023」に選定されました。選定にあたっては、マンション販売でのデジタルツイン活用によるCX(カスタマーエクスペリエンス)向上が「既存ビジネスモデルの深化」、レジャー事業でのNFT導入の取り組みが「新規ビジネスモデルの創出」の好事例として評価をいただきました。

しかしながら、長期経営方針で掲げたDXの方針と比較すると、取り組みはまだ緒についたばかりです。バリューチェーン改革に関連してすでに述べたように、データとデジタル技術は無形資産を知的資産に変えることが本来的な機能です。グループのDXビジョン「Digital Fusion デジタルの力で、あらゆる境界を取り除く」の実現に向け、資産活用型ビジネスと人財活用型ビジネスの価値を最大化することで、新たな収益モデルの確立をめざします。

なかでも、人財活用型ビジネスにおいては、当社グループが持つ無形資産をBtoB領域でも活用し、業界特化型や機能特化型のソリューションとして外部提供することが、今後の新たな収益源につながると考えています。

DXによる成長シナリオ

DXによる成長シナリオ

絶え間ない価値創造を続ける人財集団へ

無形資産の重要性は繰り返し述べてきましたが、私が最も大切にするのは一人ひとりの人財です。当社グループの成長は、創業の精神である「挑戦するDNA」と「社会に向き合う使命感」を持った従業員たちの力で支えられてきたものであり、その知識・スキル・意欲を人的資本と捉え、積極的に投資することで、グループの価値を最大化する人財戦略を進めています。

さまざまな施策のなかで、健康経営にも重点を置いており、働きやすい環境づくりで実績を上げるなど、ステークホルダーの皆さまとともに、事業活動を通じた従業員の健康増進に寄与しています。

私は人事に長年携わった経験から、多様性にあふれた人財を育むには、心理的安全性が担保された環境が必要だと確信しています。その考えをグループ全体に浸透させるためには、特に各事業会社の経営幹部の意識改革が重要です。それは、企業集団としてのサステナビリティを構築するうえでも欠かせない要素であり、今後も人財戦略と経営戦略を一体のものとして、人的資本経営を推進していきます。

信頼を超えて愛され続けるために 〜熱意で事業を飛躍させていく

信頼を超えて愛され続けるために 〜熱意で事業を飛躍させていく

「社会の潮流」「経営戦略」「熱意」という3つの歯車がかみ合った時に、事業は大きく飛躍する–––。これは経営における私のビジネス観です。そして、このうち「熱意」だけは、個人の手でコントロールできる。ビジネスは人によって成り立っているからこそ、仕事にどのような心の持ちようで向き合うかは、事業の成功に関係する重大な要素だと思います。

こうした考えは、かつて自分が若手時代に、上司から「好きなことをやってみろ」と繰り返し語りかけてもらった経験による部分が大きいかもしれません。社会と組織の利益になることならば、個人の熱意を後押ししようというムードは、当時からグループ全体に満ちていました。

その組織風土は変わることなく続いており、むしろ、社会課題が高度化・複雑化した現代こそ、新たなビジネス創造に多様な個性を持つ従業員の熱意が必要です。私の仕事は、一歩先の未来を見据えて前進し続ける組織風土を、さらに強固なものにしていくことだと考えており、長期ビジョンで掲げた「WE ARE GREEN」の旗印はまさに、すべての人財がグループ一体感のもと、多彩な力を発揮する姿をイメージしたものです。

私たちが理想とするのは、「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」の実現です。熱意を起点に、社会課題や顧客ニーズの変化など、社会の潮流を的確に捉えた経営戦略を練る。私たちの組織に根づいた、この「挑戦するDNA」を最大限発揮させ、社会からの期待に応える価値創造を続けることで、「信頼を超えて愛され続ける企業グループ」をめざしてまいります。

2023年3月31日終了年度(2023年8月公開)